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ユリイ

キベロイと別れて、森をズンズン奥に入っていきました。
木漏れ日が森の中を優しく照らしていて、かわいい花があちこちに咲いています。

ん、誰かいる、、、木の陰に、、、

誰かなぁ?

木の陰から顔を覗かせてこちらを見ていたのは、18〜22歳くらいの若い女性で
黒〜濃い茶色の髪をゆるくおさげにして、目は茶色、おとなしそうで、グレー地に青い切り替えの入ったドレス?を着ている。

若いのに、結構地味な色味の服だなぁ〜もっと明るい服着たらすごく映えるだろうに、勿体無いよぉ
などとおばさん的感想をいだきつつ、
とはいえ、ドレス着てる人を生で?見るの初めてでちょっと興奮❤️こんな感じなのね
映画とかと違って少々生活感がある感じだけどそれがまたいい

ーこんにちは。あなたは私ですか?
ー、、、

、、、?
聞いてみたけど、どうやら違う?みたい。

どういうことなんだろうか?
前世を見にきたんだから、出てきた人は自分なんじゃないのかな?

おばば様やキベロイはハッキリキッパリ、違う!と言ってくれたから納得だけど、
彼女は私の問いかけにうなづくわけでもなく、やや下を見ながらわずかに首を振る感じの仕草をしただけで、何もいわずに立っている。

これは否定?なのかな?

木の陰からは出てきてくれたけども。

なんだろう、今まで出会ったおみのさんやミレインさんみたいにハッキリとした反応 → 私はあなたよヤッホー久しぶり!的な雰囲気の対応とまったく違っていて、見られたくないけど、でも出てきました。みたいな消極的な感じ。

どうしたらいいかな。少し戸惑ってしまう

しばらく2人して森の中で無言で見つめ合っていたけれど(笑)
、、、ん、でも出てきてくれたわけだから色々聞いてみよう。うん。

ーあなたの名前はなんていうの?
ーユリイ

もしや前世の私に関連する人なのかなと思いついて、お姉さんは?と聞いたら

ーわからない。どこかに行っちゃって、行方がわからないの。
と少し困った様子で話し始めてくれた。

森の外れの家に住んでいて、森にはよく薬草を摘みに来ているそう。

母、姉、ユリイの三人家族だそうで

家に連れてってとお願いして一緒に家まで行きました。

森の中の道すがら、話をしたけれど、ユリイは周りをうかがったりしてなぜか少しビクビクしているようだった。

彼女の家は、村からは一番外れにあたる森に近い家でした。

お邪魔します〜ペコリ

家に入ってすぐの部屋には、いたるところに乾燥させた薬草が壁から天井から干してあった。

薬師をしているというお母さんが奥の部屋にいたんだけど、、このお母さん、凄いインパクトのある人で

往年の名作、アルプスの少女ハイジに出てくるロッテンマイヤーさんみたいな厳しめな雰囲気と、顔はこれまたバックトゥザフューチャーに出てくるドクを女性にしたような迫力満点な顔で、ユリイが部屋に入っていくなり「何でこんなに遅くなったんだい!」みたいなことを言ってユリイをキッチンに追いやってしまった

あらら〜、なんか想像してたお母さんと違う💦
エネルギーの渦が強烈な人
強力だわー

この母からあの大人しいユリイが⁈
あ、でもだからこその大人しさってことかな

ユリイがいなくなっちゃったのでもっと年代とか王様の名前は?とか聞きたかったのに聞けなくなってしまった。

、、、母親は薬師の商いと同時にまじないみたいなこともしていたよう。

いわゆる昔の魔女ということなのかな。なんか納得。

、、、何があったのか、見てみる。

、、、魔女狩りが始まった頃のようで、ユリイはとてもビクビクしていた。
母親は強気で、自分達は大丈夫と思っていたようだ。

姉はどうしたのか、気になる。

ここで一度繋がりが切れてしまった。

現実に戻り、お茶でも飲もうと思って自分の部屋から出て、
独り言で

「今はもう、魔法使いも魔女も大人気だから大丈夫だよ」

と呟いたら、突然涙がドワーッと溢れてきて、誰かの言葉で

「私、なんにも悪い事してないの。何もしてないのに信じてもらえなかった」

と出てきた。

誰の言葉かわからない。ユリイなのか、行方不明の姉なのか。

前世の自分が誰だったのかも結局今もわからないけれど。

それでも
ユリイ達の”生”と、もらったキーワードを私自身が知ることで、心の何処かにあった結び目が解けたような心地になりました。

今回はここまで。